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オンワードホールディングスが、2030年を最終年度とする中長期経営ヴィジョン「オンワード・ビジョン2030」を4月8日に発表した。2021年2月期は赤字決算となったが、今期(2022年2月期)は3年ぶりの黒字を見込み、10年後には売上高3000億円、営業利益250億円と過去最高益を目指す。アパレルセグメントではEC売上高1000億円達成に向け、OMOストアの出店などで販売改革に着手していく。
2021年2月期の売上高は前期比29.8%減の1743億2300万円、EC売上高は26%増の416億円、営業損失は212億3000万円、親会社株主に帰属する当期純損失は231億8100万円だった。今期はグローバル構造改革の成果が下期から現れるとして売上高1905億円、営業利益32億円、当期利益は63億円と黒字化を予想する。EC売上高は500億円を目標に掲げる。
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中長期経営ヴィジョンでは、3年は新型コロナウイルス感染拡大の影響が続くという考えから、2023年度の目標売上高はほぼ横ばいの2000億円に設定。「ポストコロナを見据えて足元をしっかり固めてビジネスモデルを改革する」(保元道宣社長)として、営業利益は2021年度から2倍超の70億円とした。
10年後の最高益に向けて、アパレルセグメントでは分断されていたサプライチェーンの可視化・効率化を推進する。繊維商社のサンマリノとの資本提携はその一環とし、デジタル化を通じて納期の短縮、価格の適正化、トレーサビリティの向上を実現させていくという。出店準備を進めているOMOストアは都心と郊外にバランス良く展開する方針。10年後のEC化率は50%を見込む。
また、ライフスタイルセグメントの拡大を重要な戦略の1つに位置付ける。ライフスタイルセグメントにはウェルネス事業、ビューティ・コスメ事業、グルメ事業、ペット・ホームライフ事業、ギフト事業があり、販路拡大やM&Aの推進などで成長を加速させていく。2021年度の総売上高に対するライフスタイルの売上構成比は5分の1としているが、2030年度には3分の1に拡大し、営業利益は150億円規模を目指すという。
堅調に推移している法人ビジネスも強化していく考え。前期に最高益を達成したオンワード商事のユニフォーム事業に加えて、OEM・ODM事業を展開するプラットフォームサービス事業を新たに立ち上げ、スマートファクトリー機能を外部に開放し、10年後に200億円規模に成長させる。このほか、多様で個性的な人財が活躍できる企業としての基盤構築やサステナブル経営の推進に取り組む。
保元社長は、決算説明会で「前期は売上高が740億円なくなり、粗利益は4割近くが消失という激震に見舞われた。ファッション企業としてあり方を根本から再定義する必要があると考えた」と中長期経営ヴィジョン策定について説明し、「社員の多様な個性を活かしたお客様中心の経営へと進化していきたい」と展望を語った。
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