■国内や海外に約310店のハンバーガーチェーンを展開するシェイクシャックは21日、ニューヨーク・マンハッタンにテイクアウト専門店をオープンした。
デジタル・トランスフォーメーションの新業態としてパンデミックで売上が落ちた都心部への戦略的に拡大する。
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シェイクシャックが昨年、打ち出した新戦略「シャック・トラック(Shack Track)」の一環としてオープンしたのはミッドタウン・ブライアントパーク店だ。
42番街沿いでホールフーズ・マーケットの隣(120 W 42nd St New York, NY 10036)にあるシェイク・シャック・ブライアントパーク店はイートインスペースを持たないツーゴー専門店。
キャッシュレジスターの有無は明らかにされていないが同社のアプリもしくはウェッブから事前にモバイルオーダーして店でピックアップすることになる。
シェイクシャックのモバイルオーダーアプリは事前注文・事前決済システム。モバイル・オーダーはレジ待ち行列を緩和し、注文の聞き取りミスや勘違いによるヒューマンエラーを回避できることでクレームが減り、顧客ロイヤリティが高まる。
スタッフもより調理に集中できることで、店内オペレーションの合理化も図れるメリットがある。コンタクトフリーとなるモバイルオーダーはお客とレジ係りの物理的な接点がなくなることで感染リスクも最小化できる利点も注目されている。
モバイルオーダーを専門にした業態はコーヒーチェーンのスターバックスの事例がある。
ニューヨーク・マンハッタンに19年11月にオープンした「スターバックス・ピックアップ(Starbucks Pickup)」はバリスタがコーヒーを淹れるキッチンを含めても1,000平方フィート(約30坪)程度だ。
スターバックスの存在を位置づけた 「第三の場所(サードプレイス)」がないため、利用客がコーヒー等をピックアップするスペースを含めて300平方フィート(8坪)しかない。
スターバックスの直近の決算では「モバイルオーダー&ペイ(Mobile Order & Pay)」が注文全体の25%に達しており、特に都心部にあるスターバックスではモバイル注文が圧倒的になっている。スターバックスがピックアップ専門店の拡大を急いでいるのだ。
持ち帰り客をターゲットにしたシェイクシャック・ブライアントパーク店も厨房にピックアップ窓口という同社では初となる小型フォーマットとなっているのだ。
シェイクシャックはパンデミックの影響により郊外型店は売上が4%も落ち、都心部に展開するアーバン型店舗は売上が27%も落ちたのだ。
起死回生を図るため同社は昨年9月、ワシントン州ユニバーシティ・ビレッジ店の外側にモバイルオーダー注文でピックアップ客専用の窓口「ウォークアップ・ウィンドウ(Walk-Up-Window)」を設置。
昨年12月にはコロラド州チェリー・クリーク店に入り口とは別に宅配やピックアップ専用入り口を設けている。またフロリダ州オーランドなどの店舗にはドライブスルーレーンを設置する計画もある。
パンデミック終息までにはまだ時間がかかることもあり、日本にもイートインスペースがなくモバイルオーダーを中心に注文をうけるモバイル・シャックもしくはシェイクシャック・ピックアップ店がオープンするだろう。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤は普段、ハンバーガーはイン&アウトバーガーで食べます。ドライブスルーやツーゴーのお持ち帰りはしません。必ずイートインで食べます。店内飲食が禁止された時も店で購入して店の前に駐めている車内で食べました。なぜかというハンバーガーやフレンチフライはアツアツ状態が美味いからです。持ち帰って食べるとぬるくなってしまい、イン&アウトバーガーといえども味は落ちます。学生時代を含め後藤はイン&アウトバーガーを36年間食べていますが、持ち帰って食べたことは初期の頃だけです。当時の店にはイートインがなくドライブスルーとウォークアップ・ウィンドウだけでしたから。で、イン&アウトバーガーは今もアプリを介したモバイルオーダーをやっていません。ネットスーパーをやらないと宣言しているトレーダージョーズと同じで、フレッシュさを理由にデジタル・トランスフォーメーションには消極的です。ドライブスルーもスタッフが直接注文をとるアナログだったりします。
シェイクシャックのように都心部のビジネス街にイートインスペースを持たないモバイル・イン&アウトが出店する日が来ますかね。
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