資生堂とヤーマンによる合弁会社による新エイジングケアブランド「エフェクティム(EFFECTIM)」がデビューした。専用カウンターを「SHISEIDO THE STORE」とマツモトキヨシ 銀座みゆきAve. 店に設置。資生堂が独自開発した3D肌解析サービスを提供し、測定結果に基づきパーソナライズした美容機器を販売している。
美容機器と美容液を組み合わせたエフェクティムの肝となる3D肌解析機は、中国とアメリカに拠点を置き、顔認識およびバーチャルトライオンサービスを提供している企業メイツ(Meitu)と共同開発。スキャニングポッドと呼ばれる小部屋型の機械の中で顔の正面と側面を撮影すると、肌状態をほうれい線やシワ、毛穴の開きといった18項目を、3D画像化した顔写真とともに確認できる。資生堂独自のアルゴリズムにより、解析結果から肌のダメージ具合に最適なトリートメントメニューをAIが考案。ヤーマンの技術を活用した美顔器に、パーソナライズしたメニューをその場でインストールする。AIによるパーソナライズメニューの総数は非開示としたものの、様々な肌状態に対応可能だという。
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スキャニングポッド
商品はフェイス用のデバイス(7万5000円)と美容液(1万3000円)、目元用のデバイス(6万4000円)と美容液(1万1000円/いずれも税別)の4点を発売。美容液には、資生堂が注力する毛細血管や真皮幹細胞に対する研究結果から考案した独自処方「STEM Complex」を配合しており、弾むようなハリ感に満ちた肌に導く。美顔器を使うことでこれらの成分を効果的に肌の奥に届けることが可能になっている。
(左から)3D ビューティーリフティング アクティベーター、3D ビューティーリフティング セラム
ブランドマネージャーの城勇輔氏は「資生堂が持つ肌に関する高度な研究知見と、ヤーマンによる美顔器の開発知見を組み合わせることで、資生堂だけでは成し得なかったスキンケア効果を提供できる」と話す。資生堂のパーソナルスキンケア事業では本格展開から約1年でサービスを休止した「オプチューン(Optune)」があるが、城氏は「エフェクティムは純粋に肌解析、美顔器、美容液を組み合わせた商品であり、サブスクリプションや定期購入などのサービスではないため比較することは難しい」と前置きした上で、「価格面ではオプチューン(月額税別1万円)よりも高くなるが、2社の精緻なデータや技術を余すことなく活用したことでホームケアトップレベルの効果の実現には自信がある」とコメント。初年度売上目標は非公開としたが、カウンセリングカウンターの展開エリア拡大を構想中で、製品についてはラインナップの拡充よりもエイジングケアの高い効果実感の実現に注力していく。中国向けにはTmallを通じて購入予約を受け付けており、北京や上海など主要都市にカウンセリングカウンターを設ける予定だ。
資生堂は中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」において、中国を中心としたアジア圏での成長、スキンビューティーブランド育成、他社との協業によるイノベーション強化などを主要戦略に掲げており、エフェクティムはこれらの戦略の一環として始動。ヤーマンは中国でも絶大な人気を集めており、アリババ(ALIBABA)による「独身の日(シングルデー)」では電子美容機器部門における販売実績、売上シェアにおいて5年連続で1位を獲得した。一方の資生堂も同日の販売実績は日本企業の中で上位に位置している。2社のノウハウおよびブランド力を活用することでシナジー効果が大きく見込めるとして協業が決まった。出資比率は資生堂が65%、ヤーマンが35%となっている。
■エフェクティム:公式インスタグラム
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