儚さや不完全さの美を追求
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骨董通り近くの「Akio Nagasawa Gallery Aoyama」にて、画家・小村希史(こむらまれふみ)の個展が開催されている。第一期は2021年3月27日(土)まで、第二期は4月1日(木)~24日(土)。
小村希史は1977年、東京生まれ。アメリカ・シアトルで絵を学び、帰国後に村上隆が主催する現代美術の祭典「GEISAI」で銅賞および藤原ヒロシ賞を受賞。本格的なアーティスト活動をスタートさせた。
初期は厚塗りの人物画を制作していた小村だが、東日本大震災をきっかけに作品に対する考えが大きく変わり、厚く肉付けしていく表現よりも瑞々しい表現を求めるように。数年かけて試行錯誤するうち抽象画に新境地を見出し、以後その作風を極めている。
「地平線 Horizon」と題した本展では、いずれの作品にもキャンバス上に地平線に見える境界線が存在。その上部と下部で異なる印象の絵画が展開されている。これは、世界中に存在し続けてきた様々な「分断」からインスピレーションを受けたもの。本来物理的には存在せず、人々の心の動きによって生まれては消える境界線の儚さや、今は境界線によって分断されている世界が再び繋がりあう未来への予見が抽象画として表現されている。
儚さや不完全さの美を追求する小村の作品から、今まさに新型コロナウイルスによる「分断」のなかにいる私たちは何を感じるだろうか。
※敬称略
■画像すべて
©Marefumi Komura, Courtesy of ︎Akio Nagasawa Gallery
■概要
小村希史 個展「地平線 Horizon」
開催期間:【第一期】2021年3月4日(木)〜27日(土)、【第二期】2021年4月1日(木)~24日(土)
開催場所:Akio Nagasawa Gallery Aoyama
住所:東京都港区南青山5-12-3 Noirビル2F
電話番号:03-6427-9611
開廊時間:11:00〜13:00、14:00〜19:00
定休日:日〜水曜、祝日
入場料:無料
>>EDITOR’S VOICE
Akio Nagasawa Gallery Aoyamaから徒歩5分のところにあるのが、ひとつまみサイズの小さな洋菓子の専門店「UN GRAIN(アン グラン)」。展示を見た後、お土産を買いに立ち寄ってみては。
Text:Natsuno Aizawa
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