アメリカ・ワシントンD.C. に位置する国立美術館 National Gallery of Artのウェブサイトで、視覚芸術と音楽の関係性を探求する新たなポッドキャストシリーズ「Sound Thoughts on Art」がスタートした。
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ジャーナリストであり作家、ミュージシャンのCeleste Headleeが司会を務める「Sound Thoughts on Art」は、パンデミックによって一時的に中止となったNational Gallery of Artの日曜日のコンサートシリーズに代わる存在として、サウンドを通じ人々と芸術作品を繋げるもの。同館のコレクションからHeadleeがピックアップした作品をテーマに、毎回異なるミュージシャンが音楽を提供し、専門家が美術史の背景を解説する、25分間程度の内容となっている。現在は、アフリカ系アメリカ人の生活や文化を捉えた20世紀アメリカの芸術家 Romare Bearden、40sから00s初頭までのアメリカ社会を克明に記録した写真家Gordon Parks、ビデオアートの開拓者として知られる韓国系アメリカ人の作家 Nam June Paik、現在もアメリカで活躍中のアーティスト Kerry James Marshallの作品を取り上げた4つのエピソードが公開中。
Beardenによるコラージュ作品「Tomorrow I May Be Far Away」がテーマのエピソード1では、クラシックピアニストのLara Downesがブラックミュージックの歴史を掘り下げ、さまざまなソースをオーバーラップさせた「音楽のコラージュ」を構築した。エピソード2では作曲家のDaniel Bernard Roumainが、清掃員の女性を写したParksの象徴的な1942年の写真作品「Washington, D.C. Government Charwoman (American Gothic)」に見出した痛みと遺産、永続的な希望を、詩人でパフォーマーのLady Caressとのコラボレーションによって表現。
エピソード3では、韓国語で「母」を意味する「Ommah」と題されたPaikのビデオインスタレーションから、作曲家でマルチインストゥルメンタリストのBora Yoonが韓国の伝統楽器と電子音楽を組み合わせ、人々に内在する「血液的記憶」について探っていく。そしてエピソード4ではヒップホップアーティストのJasiri X が、Marshallの無題の木版画と自身の経験を重ね合わせ、内なる葛藤を表す2つの歌を披露した。
今後も5月30日(日)まで、隔週の日曜日に新しいエピソードがリリースされ、Mark Rothkoの抽象画などが登場予定。サウンドが誘発する創造的思考が、新たな景色を見せてくれるはず。
【National Gallery of Art New Original Podcast Series “Sound Thoughts on Art”】
WEBSITE:www.nga.gov/music-programs/podcasts.html
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