カルティエ「ジュスト アン クル」シリーズのリング
Image by: FASHIONSNAP
リシュモングループが、2020年度第3四半期(10〜12月期)決算を発表した。売上高は前年同期比5%増の41億8600万ユーロ(約5274億3600万円、1ユーロ=126円)だった。地域別で見るとアジア太平洋地域(日本を除く)と中東・アフリカの売上高は2桁の成長率を記録。なかでも中国は80%増、台湾は29%増と大きく伸長した。
今四半期は新型コロナウイルスの影響が継続したため一部の販売拠点は一時的な閉鎖が余儀なくされたが、中国と台湾の好業績により、アジア太平洋地域の売上高は25%増の17億2900万ユーロ(約2178億5400万円)を計上。中東・アフリカではサウジアラビアの国内消費が好調で、27%増の2億9900万ユーロ(約376億7400万円)と売上高が拡大した。
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苦戦を強いられたのはヨーロッパ地域で、売上高は9億8200万ユーロ(約1237億3200万円)と前年同期比20%減。中国を筆頭とするアジア太平洋地域がヨーロッパの売上減をカバーした形となった。
ブランド別では「カルティエ(Cartier)」と「ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)」といったジュエリーブランドが好調だった。
リシュモングループは2018年にアリババグループと戦略的パートナーシップ契約を締結して以降、中国展開を加速させている。昨年11月にはファーフェッチ(Farfetch)を含む3社でラグジュアリーのデジタル事業を加速するためのグローバルパートナーシップを結び、中国市場における競争力をさらに高めている。
中国におけるラグジュアリー消費は年々加速しており、プラダグループでは2020年下期(7~12月期)の中国の売上が52%増加した。バーバリーも2020年第3四半期(12月26日までの13週間)において中国の既存店売上高は2桁、オンライン売上は3桁の伸び率を記録したという。
米コンサルティング大手のベイン&カンパニー(BAIN & COMPANY)などが発表した調査によると、2020年の中国本土のラグジュアリー市場規模は前年比45%増の440億ユーロ(約5兆5440億円)になると見込まれている。また、2025年までの見通しでは中国人によるラグジュアリー品の購入が市場全体の売上に対し約半数を占めるようになると予測している。
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