デザイナー末安弘明が手掛ける「キディル(KIDILL)」が、2021年秋冬コレクションをデジタルで開催中のパリ・メンズ・ファッション・ウィークで発表した。キディルが公式スケジュールで発表するのは初めてで、日本で事前に開催したランウェイショーの映像を1月20日に公開した。
キディルは2014年にデザイナーの末安弘明がスタートしたブランド。ブランド名は純粋性と気持ちのあり様を表した造語で、末安が1990年代に体験してきたハードコアパンクやグランジ、グラフィティー、スケートボード、現代文学などの様々なジャンルを取り入れたストリートウェアを展開している。2015年に第8回「DHL デザイナーアワード」を受賞し、2017年には「Tokyo 新人デザイナーファッション大賞」の東京都知事賞に選ばれた。2019年秋冬コレクションからパリでプレゼンテーションを行い、2021年春夏コレクションは展示会をベースにルックブックで発表した。
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2021年秋冬コレクションのテーマは「Desire」。昨シーズン、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で発表の場を失ったと感じた末安の「欲望」や「欲求」を込めたという。ショーの開催を決めたのは、「ファッションの力を、僕と信頼するスタッフたちが信じる形で伝えることができる。前に進み、やり切ることが自分の未来を作り、他者へのエネルギーにも繋がっていく」という考えから。東雲鉄鋼団地内のコンテンポラリー・アート&フォトの大型施設「TOLOT heuristic SHINONOME」が会場となり、限られたゲストが招かれた。
キディルのアティチュードと共鳴することから、ミュージシャンの灰野敬二を起用し、大音量のライブパフォーマンスと共にショーがスタートした。コレクションでは、ロサンゼルスを拠点に活動するビジュアルアーティストのジェシー・ドラクスラー(Jesse Draxler)とコラボレーションし、モノクロのダークな世界観を表現するジェシーのグラフィックをプリントやジャカード織りといった様々な手法で随所に落とし込んだジャケット、スウェット、パンツなどを発表。また、デニムは「エドウイン(EDWIN)」、ワークパンツは「ディッキーズ(Dickies)」、ニットは「ルルムウ(rurumu:)」、帽子は「カシラ(CA4LA)」、シューズは「ヒュースト(HYUSTO)」、アクセサリーは「マルコムゲール(Malcolm Guerre)」とコラボレーション。それぞれのブランドの強みを活かしながら、キディルが打ち出し続けているパンクカルチャーを多面的に表現した。
Image by: FASHIONSNAP
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