8. Maison Margiela ツイードアウター
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小笠原:これは「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」のツイードのジャケットと言っていいのかケープと言っていいのか、どう呼べばいいのかわからないアイテムです。
F:確かにパターンがどうなっているのか、複雑な作りですね。
小笠原:マルジェラのショーで案内される席は、いつも最もカメラ側に近いフロントローで、とても見やすい席でありがたいんですが、一方でカメラに結構な確率で映り込むんですよ(笑)。ここ2年はマルジェラのグレーのスーツを着てショーに行くことが多かったんですが、本国のスタッフがルック画像を見て「このいつもうちのグレーのスーツを着てくるジャーナリストは誰だ?」と言っていると日本のPRの方が教えてくれて。それで「いつもそのスーツを着ているからそろそろ小笠原さん新しいのいかがですか?」と言われ、何か買おうと思って選んだのがこれなんです。
F:ショーを見て選んだんですか?
小笠原:パリでショーを見終わった後展示会に行って、色々と試着して決めました。持っていないデザインで、ツイードも久しぶりだなと。この秋冬はプラダも「ヴァレンティノ(VALENTINO)」もウィメンズでツイードのコートを作っていたりと、ツイードが復活してきているシーズンでもありますからね。立体裁断で作ったであろうこのドレープを見ても、やはりジョン・ガリアーノ(John Galliano)はすごいなと思わせてくれるアイテムです。

F:これはメンズですか?
小笠原:品番としてはメンズなんですが、今マルジェラはジェンダーフリーを打ち出しているので。特に男女で分けてはいないと思います。
F:スタイリングが難しそうですが、何に合わせますか?
小笠原:それこそマルジェラのグレーのスーツに合わせたりですね。
F:次のシーズン、ショーが無事開催されればこれを着ている小笠原さんを会場で見られるかもしれませんね。
小笠原:ただショー会場って暑いこともあるので、脱いじゃってるかもしれないけど(笑)。
F:ちなみにショーにはそのブランドのもの着ていくようにしているんですか?
小笠原:持っていればですね。1日何本も見る日はどこに合わせるかって言う問題は出てきますが。あとこのツイードアウターはパリで買うのが1番安く買えるためパリのお店で発注していたんですが、コロナで10月にパリに行けなくなり、買えなくなってしまったなと思っていたらどっからどう手を回したのか分からないですけど、日本のスタッフから連絡をもらって日本で購入することができたんです。あわやまたドロップかと思っていたので、手元に届いて嬉しかったですね。
F:パリ価格で買えたんですか?
小笠原:それが日本価格だったんですよ(笑)。まあこのタイミングで私が不良在庫を増やすわけにもいかないので、キャンセルは考えませんでしたけどね。
今年を振り返って

小笠原:ここ数年の中では買ったほうなんですが、買ったものの数自体は多くありませんでした。ただ今年はこういう状況下ですから、特に美しいものを作っている人達とともにありたいという気持ちが強かったですね。それがアイテムの選定にも繋がっていると思います。
F:「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」が久しぶりに東京でショーを開催して、川久保玲さんが珍しくメディアの前で話をし、TVでも取り上げられました。川久保さんもコロナ禍で業界を憂え、思うことがあったんじゃないかと思ったりもしました。
小笠原:ショーが終わっていつも川久保さんとは一言二言交わしているんですが、ああやって囲み取材に対応するのは久しぶりでしたね。TVに出るというのは川久保さんなりに、コム デ ギャルソンというブランドをもっとアピールしてこの難しい時代でも従業員と会社を守ろうっていうことなんだろうなと。それはスタッフには伝わったんじゃないでしょうかね。
F:2021年、ファッション業界はどうあって欲しいと思いますか?
小笠原:コロナの状況もあるのでなんとも言えませんが、ただ2021年春夏はリアルな服が増えましたよね。今の人々が求めている日常で使いやすいものの提案はポジティブな捉え方もできますが、一方でショーで見せているスペシャルピースはほとんど売ってなかったりと必ずしも健全な状態ではないと思っていて。ファッションがコンサバにはなって欲しくないんです。妥協してしまうんじゃなくて、美しいものを目指してチャレンジし続けていかないと人類って進歩しないと思いますし、デザイナーはそこで葛藤して新しいものを模索し続ける仕事だと思うので。こんな状況下でもデザイナーには諦めて欲しくない、というのが今の素直な言葉です。
■小笠原拓郎
1966年愛知県生まれ。1992年にファッション業界紙の繊研新聞社に入社。1995年から欧州メンズコレクション、2002年から欧州、NYウィメンズコレクションの取材を担当し、20年以上にわたり世界中のファッションを取材執筆している。
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