5. DRIES VAN NOTEN レオパードジャケット
ADVERTISING
F:続いては「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のジャケットです。
小笠原:2020-21年秋冬コレクションのジャケットですね。これはずばり柄が気に入って購入しました。このシーズンがすごくロンドンっぽいコレクションだったんですよね。私はロンドンのテイストがもともと好きなので、今年よく着ています。
F:シルエットは少しタイトですかね?
小笠原:普段46サイズなんですが、結構タイトだったので48にしたんですよ。デザイン的には何ていうんでしょう、ダーティーな感じというか。まぁそういうのが好きなんですよね。それにレオパードのジャケットは持っていなかったので。あと「トゥルー・ロマンス(True Romance)」という映画が好きなんですが、脚本がクエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)でクリスチャン・スレーター(Christian Slater)がギャングのお金を盗んで逃げていく話で、このジャケットにはその映像を思い出す感じがあるんですよね。
F:ドリス ヴァン ノッテンは結構買っているんですか?
小笠原:それが全然買ってこなかったんですよ。もう何十年も買っていないんじゃないですかね。
F:かなり久しぶりなんですね。それはやはりコレクションに感動したというところが大きいのでしょうか?
小笠原:すごくいいなと思いましたね。同じシーズンで手の掛かりそうなビジュー刺繍が入っているデザインシャツもオーダーしていたんですけど、ドロップして生産できないとなってしまったんです。正直「そうなるんじゃないか」と思っていたんですけどね(笑)。あの手の刺繍は多分インドでやるので、インドがロックダウンに入ったから生産が厳しいだろうなと。楽しみにしていたんですけど。
F:小笠原さんが展示会でオーダーするアイテムはきっとデザイン性が高いので、ドロップも多そうです。
小笠原:そうなんですよ(笑)。まあブランドの立場で考えると仕方ないんですが。
F:繊研新聞の20年1月6日付の記事でクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)とタッグを組んだドリス ヴァン ノッテンについて言及されていました。「近頃ファッションは商業にフォーカスしすぎている傾向にある」というドリスの指摘に対して、プレタポルテが岐路に立っているという内容で。
小笠原:ビジネスの規模が大きくなって、ブランドを傘下におさめたグループ会社ができた。しかし本当にファッションにとって良かったことなのか?と思うところはあるんですよね。
F:ファッション批評家 アンジェロ・フラッカヴェント(Angelo Flaccavento)も同様の指摘をしています。ブランドのコングロマリット化が進み、特にメディアに対して強い権力を持つようになったと。
小笠原:そうだと思いますよ。これからはそこでどう戦っていくかが鍵というか。私自身ショーで厳しいことを書いて、それ以降呼ばれなくなったブランドもありますから。
F:ベテランの小笠原さんでさえそういったこともあったんですね。どのブランドか気になります。
小笠原:ブランド名は伏せておきましょう(笑)。
F:取材の機会が奪われるというのは難しい問題ですね。ファッションにおけるジャーナリズムが機能しない一因というか。日本国内では特に。
小笠原:そこでメディアが広告含め忖度して予定調和になった結果、感じたことを自由に発信するインフルエンサーが脚光を浴びた、というのが今だと思うんですよね。メディアとブランドの関係が硬直化しているからこそ、もっとメディアが自由に、特に報道というメディアであれば自由に突っ込んで書いていくべきだと思います。それを許さないブランド側の圧力はありますが、どういう風に納得させながら書けるかっていう力をジャーナリストは磨かないといけないと考えています。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【買ったモノ】の過去記事
TAGS
記事のタグ
RELATED ARTICLE
関連記事
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境