スマホ、スマートホーム、クラウドサービスなど、多くの分野で世界レベルで覇権を競っているのがシリコンバレーの巨大テクノロジー企業、GoogleとApple。
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時価総額ランキングでも常に上位にランキングし、ビジネスモデルの側面ではかなり共通点がありそうなこの2社。しかし実はさまざまな側面でかなり異なる戦略を取っている。
GoogleとAppleにおけるデザイン、組織、カルチャー、マーケティングなど10の項目に対してのアプローチの違いを画像で表現してみた。
Google: ユーザーが欲しいと思っているものを作る
Apple: ユーザーが欲しいはずのものを作る
* Appleはユーザーが欲しいとまだ気づいていないプロダクトを作ることが多い
>>お客様第一主義とユーザー中心デザインの違い
Google: リサーチよりも開発重視
Apple: 開発よりもリサーチ重視
* Appleはハズレが少ない要因
>>実践デザイン思考!量より質を極めるユーザーリサーチ基本のき
Google: 見た目の統一性を実現
Apple: 体験の統一性を実現
* Googleのアイコンが似すぎてる問題発生
>>最近のアイコンが似通ってきている問題
Google: プレスリリースやティザーサイトで告知
Apple: 告知なし
* Appleはジョブスの時代から直前まで極秘にするのが恒例
>>スティーブ・ジョブズに学ぶ7つのメディアPR戦略
Google: 新しいトレンドに合わせてリデザイン
Apple: 普遍的で永続的なデザイン
* Macの基本的操作性は30年以上変わっていない
>>Appleの復活と躍進のシンボル iMacの進化をデザイン視点で振り返る
Google: なんちゃってプライバシー保護
Apple: 厳密なプライバシー保護
* Googleはユーザーデータの扱いに関しての懸念が叫ばれている
>>全てのデザイナーが知っておくべきエシカルデザインとは
Google: 幅広いユーザー層
Apple: 限定的なユーザー層
* 全世界のスマホユーザーの70%以上がAndroidを利用
>>【インスタ、エアビー、Slack等】人気サービスの初期ユーザー獲得方法
Google: フラットで分散型組織
Apple: ヒエラルキー・中央集権型組織
* Googleはチーム毎に別会社のように独立して動いている
>>Apple社で12年間働いた女性が語る イノベーションを起こす組織の秘訣
Google: オープンソース
Apple: 独占的
* Apple App storeとGoogle Playの違いが象徴的
>>今こそイノベーションラボ設立の時?大企業に学ぶ“失敗から学べる環境づくり”とは
Google: LPなどを使ってキャンペーンを行う
Apple: 既存のページを活用しながら告知を行う
* Appleはプロダクト毎に個別のLPを作成することは少ない
>>【アメリカ市場向け】効果的なランディングページ(LP)の作り方
Appleの主な特徴
初代iPhone発表された際に記者が、タッチスクリーンでタイプするのは難しすぎる、と文句を言ったのに対し、スティーブ・ジョブズはこう答えた。“そのうちあなたの親指が慣れていくよ”と。
それがAppleだ。
Appleは、ユーザーよりもユーザーのことをよく知っていることが多い。そうなるために、多くの時間をかけ、入念にリサーチを行い、一貫性のある優れたUXと普遍的なソリューションを提供することに注力している。
また、組織的には、数人のエリートデザイナーが最終的なアウトプットの品質を管理する階層構造になっている。完璧な製品を作るためには最適な仕組みであるが、総じてより多くの時間と労力を必要とする。
この「あなたが何を望んでいるかを知っている」というアプローチにより、必然的にユーザー層は限定されていく。例えば、iPhoneが最初に出た時など、物理的なキーボードを求めるユーザーを大胆に切り捨て、怒らせてしまう可能性があるため、あまり親しみがないと思われることもある。
>>Appleを1兆ドル企業に成長させた6つのデザイン哲学
Googleの主な特徴
一方、Googleは事前のリサーチよりも、利用しているユーザーの反応を元にプロダクトの検証を行う傾向がある。可能な限りオープンソース化を行い、コミュニティからの貢献やフィードバック元に評価を獲得している。
この手法により、幅広い商品ラインナップを効果的に作成し、大規模なユーザー基盤を活用して膨大なデータの収集を実現している。
その一方で、ユーザーは自分たち自身が何を求めているかをはっきりと理解できていないこともあり、ユーザーからのフィードバックやデータを元に開発したプロダクトでも失敗しているケースも少なくない。
2013年にKickstarterで大きな話題になったモジュラーフォンもコンセプト的には素晴らしいと思われたが、結局失敗に終わった。ユーザーのインプットを重要視するのは長所でもあるが、時には短所にもなりえる。
ユーザーの声は聞くべきだが、ユーザーのためにデザインするということは、ユーザーにデザイナーの役割を委ねるいうことではない。ユーザーを観察して何を求めているのかを知るのが大切なのだ。
また、Googleはアジャイル型の開発を行うことが多く、ミスがあった時にも素早く調整する仕組みができているのも特徴。
一見似てそうで結構異なるこの2社のデザインフィロソフィー、どちらに共鳴しますか?
>>デザイン思考のプロセスだけでは革新的な製品が生まれない?説
* 今回紹介したコンテンツは、UXデザイナーのAllenによる作品で、許可をもらって掲載している。オリジナルの英語ポストはこちらから。
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