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【レビュー】2021年モデル「iPhone 12」シリーズが発売 全機種の特徴を解説

【レビュー】2021年モデル「iPhone 12」シリーズが発売 全機種の特徴を解説

ジャーナリスト/コンサルタント
林信行

 11月13日、世界でもっとも小さな5G対応スマートフォン「iPhone 12 mini」と、歴代iPhoneで最大の画面解像度を持つ「iPhone 12 Pro Max」の販売が開始された。これでiPhoneの2021年モデル、iPhone 12シリーズ全モデルが入手可能となった。そこで今一度、新iPhoneの特徴をおさらいしてみたい。

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 まずはiPhone 12シリーズ全機種共通の特徴から。

フラットエッジデザイン:全モデルとも側面が平らなフラットエッジデザイン。握りやすく、本体を机などの平らな面に立てることができるのでセルフタイマー撮影などにも便利だ。また、ガラス面にアップルが独自に開発したセラミックシールドという加工法を加えており、これまでよりも4倍割れにくくなっている。

MagSafe:これまでのケーブルを挿して行う充電に加え、MagSafeという充電台を本来の裏にピタっとマグネットでくっつけて充電できるようになった。この本体の裏に磁石で物がくっつく仕組みは今後、他のアクセサリーでも使われる予定で、アップル社は本体の裏にくっつく財布(クレジットカード用ケース)も発売している。

有機ELが標準:全モデルで有機EL画面(Super Retina XDR)が標準になった。有機ELでは、液晶と異なり黒い部分は一切光らず本当に真っ黒だ。このため写真などの一番暗い部分と一番明るい部分との間のコントラストをきれいに表示できる。

明るいカメラレンズ:標準レンズが、これまでのiPhoneよりもさらに明るい(f/1.6。昨年モデルはf/1.8)。そのため暗いところでの撮影がよりしやすくなった(昨年までのモデルだとナイトモードになる暗さでもナイトモード無しで撮れてしまう)。また昨年搭載されて以来人気の超広角レンズはf/2.4とそのままの明るさだが、新たにナイトモード撮影や、暗いところで服の質感などをきれいに描き出すDeep Fusionという技術に対応。また、ビデオ撮影では映画などでも採用され始めているDolby Vision HDRという映像技術がいち早く採用された。世界で唯一、この規格で撮影できるカメラとして映画の撮影監督などからも注目を集めている。

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iPhone 12 miniで撮影

A14 Bionic:頭脳となるプロセッサーは5ナノメーターという業界でも最先端の技術でつくられ、性能でも他のスマートフォンを圧倒している。高級機のiPhone 12 Pro Maxはもちろん、もっとも手頃なiPhone 12 miniにも搭載され、全機種で快適な操作を可能にしている。

5G対応:発売前の噂では、新iPhoneの最大の目玉は次世代通信技術の5Gに対応することだと噂されていたが、現状の日本の5Gは電話会社の5G対応エリアマップで見つけた対応エリアまで行き、そこでiPhoneを見ながらつながる場所を見つけると、たまにつながることがある、という程度で、ほとんど恩恵を受けることはない。ただし、来年以降普及すればWi-Fiいらずの超高速で安全な通信ができるはずだ。なお、各社が提供している5G通信プランは、4Gで使っても実質容量無制限なことが多いので動画をたくさん見る人にはお得だ(各社で異なるので確認のこと)。

(左から)iPhone 12 mini、iPhone 12、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max

 iPhone 12シリーズにはiPhone 12 mini、iPhone 12、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Maxの4つのモデルがある。名前に何もつかないiPhone 12がすべてのバランスが取れた標準モデルで、iPhone 12 miniは標準モデルとスペックはまったく同じながら、サイズが一回り小さい。手のひらにすっと馴染む小さなサイズ感はかなり心地よい。ちなみにこの春に発売された小型モデルのiPhone SEよりもさらに小型であるにも関わらずホームボタンがない分、画面は一回り大きくなっており、しかも有機ELなのであきらかに表示がきれいになっている。

 iPhone 12 Proは、iPhone 12と形やサイズがまったく一緒(タイトなケースが交換できる完全同寸サイズ)だが、望遠レンズが加わった3つのカメラを搭載していたり、レーザー測量技術、LiDARなど最先端の技術を導入している。

 そしてこのiPhone 12 Proには、さらにサイズを一回り大きくしたiPhone 12 Pro Maxというサイズバリエーションがある。大きなサイズを生かしてバッテリー動作時間が長くなっただけではなく、望遠レンズがさらに望遠になり、手振れ補正が強化されている。ちなみに大きいといっても昨年のiPhone 11 Pro Maxと比べて縦に2mm、横に0.3mm大きくなっただけで、厚みは0.7mmも薄くなっている。重さも2グラム増えただけ。それなのに画面は6.7インチと昨年モデルの6.5インチから0.2インチも大きくなっている。

  標準シリーズとProシリーズでは、素材の質感なども微妙に異なっている。標準シリーズの側面や背面は航空宇宙機器で使われるグレードの質の高いアルミ素材。なので軽いが、少し凹みなどもつきやすい。黒モデル、白モデルに加えて(PRODUCT)REDの赤やグリーン、青などのカラフルなバリエーションも用意されている。

 これに対してProシリーズはメスなどの医療機器で使われるのと同じグレードのステンレス素材。傷や凹みがつきにくい。色はグラファイト、シルバー、ゴールドと新色のパシフィックブルーが用意されているが、いずれもシックな色合いで高級感を感じさせる。

 なお、Proシリーズのみに搭載されているLiDAR機能は、これからの活躍が期待されている機能で、今のところは暗いところで正確で素早いオートフォーカスをすることくらいにしか活用されていないが、例えば他社製のPolyCamというアプリを使えば、部屋や小物を3Dスキャンして、好きな角度から見ることができる4Dデータにすることができてしまう(さらに、このデータをメールで送信してARで見ることもできたりする)。といった具合に、今後、ARなどの分野で活躍が期待できそうだ。

 最後に3製品のカメラでいろいろな条件で撮り比べをしたので、その写真を共有したい。ポートレートや人との記念写真、風景やアート鑑賞など、ほとんどのシーンでは標準モデルのiPhone 12 miniやiPhone 12でも十分きれいに撮れる。

iPhone 12 miniで撮影

 モデルさんを使っての撮影でも細かい部分の描写には違いが出ても、そこまではっきりわかる大きな違いが出ることはなかった。かなり暗めのシーンでもレンズが明るくなっているため困ることはない。

 だが、やはり望遠で写真を楽しむ人にはiPhone 12 Proがオススメだ。ここで悩ましいのがiPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxでは望遠の倍率が変わっていること。iPhone 12 ProはこれまでのProシリーズと同じ2倍の望遠レンズを搭載している。つまり、遠くにある小さな人や物をそれだけ大きく写すことができる。一方、巨大なiPhone 12 Pro Maxは望遠レンズの倍率が2.5倍で、遠くの被写体にグンと一段迫れる感じがある。iPhone 12 miniと標準のiPhone 12でも、これまで通りカメラ画面を指で広げてデジタルズームすることはできる。この場合の最大倍率は5倍。ただ、Proモデルでは望遠レンズで撮った写真を拡大するため倍率がさらに大きい。デジタルズーム時、iPhone 12 Proは最大10倍、iPhone 12 Pro Maxは12倍の倍率で撮影できる。

 ちなみにiPhone 12 Pro Maxは、レンズに加えてカメラのセンサーも大型化しているため、従来よりも87%も多くの光を取り込むことができる。ほとんどの撮影ではそれを実感することはないが、星明かりだけの真っ暗な青森県蔦沼で星空を撮影したところ、かなりきれいに星空が撮れてビックリした。同じ星空が昨年までのiPhone 11 Proでは真っ暗になってしまい、iPhone 12 Proでは撮れるには撮れるが暗い写真を無理やり明るく自動加工してしまうためノイズが載ってしまっていた。iPhone 12 miniとiPhone 12も同様だ。

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iPhone 12 Pro Maxで撮影

 青森県蔦沼。星明かりだけしかない新月の夜 #DenebStories のイベントで星浴をしにいった時のもの。本当に真っ暗だが、目が慣れてくると頭上が無数の星に覆われていてかなり感動的だ。それをiPhone 12 mini、Pro、Pro Max、そして昨年モデルのiPhone 11 Proで星空を撮影してみた。ナイトモードを使った手持ち撮影でシャッター時間は10秒。普通のカメラでは暗すぎてほとんど何も撮れない。

 昨年モデルのiPhone 11 Proも、わずかにいくつか数個の明るい星が写っているだけだった。しかし、今年のiPhone 12シリーズはminiでもしっかりと木の輪郭と星の両方を撮ることができた。miniとProの写真は真ん中が赤くなっているが、これはiPhoneが無理やり写真を明るくしようとしているために発生したノイズだ。一方、センサーが大きくなり光をより吸収できるようになったiPhone 12 Pro Maxは、ノイズも少なくきれいな写真を撮ることができた。

 圧倒的に手に馴染むサイズと価格でiPhone 12 miniにするか、それとも最高のカメラを求めてiPhone 12 Pro Maxにするか。またはiPhone 12か12 Proのどちらかでバランスを取るか。2021年モデルのiPhoneは、なかなか悩ましいラインナップとなっている。

モデル:小瀬田麻由(こせた まゆ)1994.11.12生まれ

モデルの撮影:溝畑恭秀(みぞはたきょうしゅう)/写真家

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