香川県さぬき市に自社工場を構える、川北縫製。
服の着心地は、見えないところへの気配りで決まる。
だから、細部まできめ細やかに、きっちりと縫い上げる。
どんなに手間がかかっても、決して手を抜かず、とことんまで、こだわり抜く。
そんな志を持って日本製にこだわり続け、50年近い歴史を紡いできた縫製企業である。
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長らくOEM企業として、日本のファッション業界を支えてきた同社であるが、1990年代半ばより、中国をはじめとする安価な海外生産の波に飲まれ、価格競争のために品質を妥協した結果、クライアントとの取引が次々と終了。2001年には工場の大幅縮小という苦渋の決断を余儀なくされたという。
海外生産と張り合うのではなく、長年かけて培ってきた高い技術を活かしてもう一度、最高の服を作りたい。そう思っていたちょうどそのとき、同じ志を持った一人のデザイナー、伊藤裕之氏と出会ったことで、メンズブランド「CURLY&Co.(カーリー)」が誕生した。まさに奇跡のタイミングである。
「一貫したモノ作り」をポリシーに、企画・縫製・検品・出荷といった服づくりの全工程を、香川県の自社工場内で手がけており、ファッション性と着心地の良さで高い評価を獲得。現在は中目黒の直営店「The Weft」をはじめ、全国65店舗のセレクトショップで販売されている。
そんな川北縫製が2020年12月、新たにレディースブランドを立ち上げ、南青山に新店をオープンすることとなった。
従来の春夏/秋冬シーズンでの展開ではなく、「色」をベースにした商品展開が特徴。12月のオープン時には、自社工場の近くでもある瀬戸内海をイメージした「青色」のアイテムが店頭に並ぶという。
合成繊維・化学繊維ではなく、自然豊かな香川からインスピレーションを受け、上質な天然繊維を用いた各種アイテムで、着る人に「やすらぎ」「パワー」を与えられるブランドにしたい―― ターゲットやアイテムが拡大しても、根底にある「洋服」への想いは変わらない。
「私たちは、自分たちが良いと思うもののみを作り上げ、自信を持ってお届けしています。もちろん店頭に立つメンバーにも、同じ気持ちでいて欲しい。なので新店のオープニングスタッフにはまず、自社工場での研修を通じてものづくりのこだわりを体感してもらいます。どんな人々がどんな工程で洋服を作っているのか、同じ温度感を味わってもらいたいのです。研修で得た気付きや学びはぜひ、店舗での接客に活かしていただきたいです。」
と話すのは社長の川北繁伸氏。
コロナ禍における様々な変化をきっかけに、接客・販売のスタンスについて今一度向き合っている方も多いのではないだろうか。心から良いと思える商品をお客さまに届けたいというこだわりを持つ方は、ぜひ川北縫製をチェックしてみて欲しい。
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