国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、ラストワンマイル物流における「遠隔・非対面・非接触」を実現すべく「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」を公募。
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決定した採択企業は、株式会社NTTドコモ、日本郵便株式会社、TIS株式会社、パナソニック株式会社、株式会社本田技術研究所、楽天株式会社、株式会社QBIT Robotics、ソフトバンク株式会社、佐川急便株式会社、アイシン精機株式会社、株式会社東芝、京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)の12社だ。
各社は、さまざまな企業・団体の協力のもと実証実験を順次開始する。今回はその内容を簡単に紹介していこう。
2020年内に開始予定の実証実験
まず、ともに採択企業であるソフトバンクと佐川急便は、東急不動産株式会社やアスクル株式会社、MagicalMove株式会社などの協力のもと、スマートシティのモデルケースの構築に取り組んでいる竹芝エリアにて2020年9月以降、自動走行ロボットによる配送サービスの実証実験を実施する見込みだ。
同実験では、屋外と屋内の2つの配送パターンを検証する。屋外では、自動走行ロボットと信号機の連携システムを開発し公道での配送の安全性などを検証。屋内では、エレベーターの連携システムを導入し、ロボットがエレベーターを使って違う階への配送ができるかどうかを検証していく。
同時に、屋外・屋内でのロボットの位置を把握できるアプリケーションの開発、検証・評価を行うとのこと。
次にパナソニックの実証実験について。同社は、神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウンにて、「住宅街向け小型低速ロボットによる安全・安定なラストマイル配送サービスの実現」をテーマにロボットを用いた自動配送サービスの技術開発、異業種パートナー企業と連携したサービス実証を2020年11月以降順次開始予定だ。
来春、開始予定の実証実験
2021年度春を目途に実証実験を予定しているのがTIS。福島県会津若松市内で「中山間地域での生活支援向けロボットシェアリング型配送サービス」の検証を行うとのこと。同社のロボット管理プラットフォームを利用し、メーカーと協力して自動配送ロボットによる公道での集荷・配送などを実施する。
また2021年4月~6月には、QBITが株主である森トラスト協力のもと、大規模オフィスビルにて複数種のロボットを活用した、A4サイズの封筒状の荷物や小型段ボールなどの比較的小さい荷物の館内配送の実証実験を実施予定だ。同実験では、ロボットのみによる配送と、人とロボットの協働作業による配送などのデータを取得し、ロボット活用による人的リソース削減や人的接触低減の可能性を探っていく。
さらに、2021年5月からはKCCSが北海道石狩市石狩湾新港地域の公道にて、無人自動配送ロボットによる地域内シェアリング型配送サービスの開発・実証を開始する。同地域は広大な工業地域であり、企業数・就業者数の増加が見込まれる一方で、貨物の輸送要員不足が懸念されている地域だ。
そのほか、こんな実証実験も……
ドコモは、首都圏の団地を対象に居住者や団地内でのサービス提供者に向けた配送サービスを検証する。日本郵便は、関東近郊のセキュリティマンション向けに複数台の自動走行ロボットによるラストワンマイル配送サービスの実現をテーマに、アイシン精機は、大型商業施設向け店舗から駐車場への商品自動配送サービスの実現をテーマに実証実験を実施予定。
本田技術研究所と楽天は、個人向け自動走行ロボットによる安全な配送サービスを検証。東芝は、商業施設バックヤード向け複数ロボット連携システムによる配送サービスを検証していくようだ。
なお同事業は、自動走行ロボットを活用した配送の実現に向けた官民協議会に対し、「事業化に向けて核となるユースケースの明確化」「自動走行ロボットの安全性評価や安全な運用体制の構築」「制度・法令などの検討・整備」に関する情報を提供するとのこと。
慢性的な人手不足が課題となっている物流業界だが、新型コロナウイルスの影響でさらに深刻な事態に陥っているという。同事業を通じて「遠隔・非対面・非接触」での配送サービスが実用化されれば、物流業界の抱える課題の解決へとつながるかもしれない。
ソフトバンク株式会社
PR TIMES(パナソニック)
PR TIMES(TIS)
PR TIMES(QBIT)
PR TIMES(KCCS)
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
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