Screenshot via CS156/ Caltech
Caltechの学生チームは、AIを使用して新型コロナの影響を予測するツールを開発した。新型コロナの感染拡大を予測するモデルは多数あるが、AIを組み込んだものは少ない。
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従来の感染症数理モデルは、人口動態や移動率、過去のインフルエンザの発生率など、規定のデータをもとに感染者数の仮説が立てられ、感染症の感染率や回復率などに応じて調整が行われる。弱点として、「外出自粛要請を厳守しているか」といった、関連していそうなデータがあっても、これをを自由に追加できないことがある。
予測モデルにAIを組み込むことで、データの山から人間に認識できないパターンを見出す可能性がある。
Caltechの学生150人が英知を集結
政策立案者にとって有用なツールを開発するとの同プロジェクトは、まだ新型コロナが猛威を振るう前の3月に、コンピューターサイエンスのクラスの課題として始まった。その後、重要性の認識が拡大するにつれてプロジェクトも大きくなり、最終的には150人の学生が参加するものに。クラス終了とともに、優秀な予測モデルの良い部分を集約して、1つの強力なツールを開発する運びとなったようだ。
ツールは、新型コロナの影響を評価するための最も信頼できる指標との理由から、死亡率の予測に絞って開発が進められた。
プロジェクト継続のための資金調達はたったの2日で達成したようで、テーマの重要性とCaltechの学生への信頼性の高さが表れている。
最大1カ月先の地域の死亡者数がわかる
公開されているツール「CS156」では、アメリカの地域の死亡者数が最大1カ月先までわかって、医療機関のリスク予測および介入策を立案するうえで実用性が高い。
CS156によって行われた予測は、「CovidActNow」IHMEの「COVID-19 Projections」、Los Alamosの「LANL」といった5つの代表的なモデルとの比較が行われ改善に役立てられる。
この新しいツールの開発はハイペースで進められている状況。より有用なツールの登場で政策の有効性が増すことを考えれば、学生たちの注力には大きな価値があるだろう。
参照元:Students Use AI for a Better COVID-19 Prediction Model/ Caltech
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