

【インフルエンサーの出現によって変化が生まれたファッションとメディアの関係性】

発信力、影響力といった点においてはジャーナリストよりもインフルエンサーの方が優れており、ファッションビジネスにおいても重要な役割を担っています。
著名人よりもギャランティは安いが影響力はある。
無論ファッション業界もこれらを用い、展示会やランウェイショーへ招待し、その影響力の恩恵を受けるビジネスモデルを推進してきました。
もちろん上記のようなビジネスモデルを一概に否定しているわけではありませんが、ファッション業界と同じようにインフルエンサーにもトレンドが存在している為、中長期的なブランディング、プロモーションを行う上で最善策とは言い切れません。
同タイトル前編でも記述したようにここ数年の間にto Bビジネスのマーケットに飽和を感じた大手メーカーからデザイナーズブランドまで、ECをはじめとしたto Cビジネスに大きく舵を切ってきました。
» 参考:【崩壊しつつあるファッション"ジャーナリズム" ファッションとメディアの関係性 -前編-】
日本のマーケットが縮小傾向にある中、こうした動きは至極当然ではありますが、審美眼を養う機会を奪ってしまう他 、自らの手で "消費" を早める可能性があるといった点も危惧しなければなりません。
このように、ファッション業界自体が"バズる"ことを意識しすぎている側面も"ジャーナリズム"に影を落としている要因なのかも知れません。
【新たなビジネスモデルになり得るか?ファッションウィークの方向性】

最近では9月に開催されるロンドンファッションウィークにおいて一般客向けのチケットが販売されることが決定しました。
5日間のうちの2日間、チケットが販売されプレミアムチケットにはフロントローの席の確保やVIPラウンジのパスをつけるとのこと。
それほど直接的ではないにしろ、東京においてもこうした動きは存在し、卸先がランウェイのインビテーションを数枚確保し、エンドユーザーへ訴求するといったように広義的な意味での収益化を図るケースも珍しくありません。
インディペンデントな世界だからこそ価値が生まれる新たなビジネスモデルだとは思いますが、ファッションウィークやランウェイショーをオープンな環境にすること自体が、今後のファッションにおいて優位な働きをもたらすかといえば疑問を抱かざるを得ません。
ファッションにおける"ジャーナリズム"は消費者への波及効果だけでなく、デザイナーにとっても大きな役割を担う部分に位置していると考えます。
新しいカルチャーや価値観を否定しているわけではありませんが、ジャーナリストをはじめとするメディア、デザイナー、エンドユーザーが正しい距離感で存在することがマーケットの成熟に繋がっていくと推察します。
石本 遥路
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