

ファッションにおける "アーカイブ" とは?

今日現在のファッションシーンにおいて"アーカイブ" というワードはもはやひとつのジャンルとして確立されたのではないかと感じています。
しかしこの"アーカイブ" という単語をよく耳にするようになったのはここ数年。つまるところ"アンティーク" のように正確な定義やルールは存在しません。
背景にあるのは世界的なストリートカルチャーの隆盛や、セカンドハンドに対する価値観の変化だと考えます。
現在のストリートカルチャーを牽引するヴァージルアブローやカニエ・ウェストが90年代~00年代のプロダクトから着想を得たり、彼らの周りにいるアーティストらが注目したことが大きなきっかけとなりました。
Martin Margiela
RAF SIMONS
HELMUT LANG
COMME des GARÇONS
NUMBER (N)INE
UNDERCOVER
これらのブランドを筆頭に90年代~00年代のアイテムが再評価されています。
海外のファッション好きも注目する日本市場のアーカイブアイテム

80-90'sテイストのファッションが再評価された流れや、instagramやスマートフォンの普及により情報の回るスピードが著しく進化し、過去のコレクションやプロダクトに素早くアクセスできるようになったこともこのブームに影響を与えています。
最近では「We Margiela マルジェラと私たち」や「マックイーン モードの反逆児」などの映画の効果もあり、より注目度が高まっています。
逆説的ではありますが、この アーカイブブームは現在のファッション業界の時代の潮流にうまくマッチした結果なのではないでしょうか。
最近では海外からの観光客が日本でアーカイブアイテムを購入するといったケースも多くなってきています。
アメリカなど海外でもリユース文化はあるものの、いまだ偽物品も多くしっかりとした目利きができる人材も多くはありません。
その点日本では経験豊富なスタッフや、それらのスキルを教育できるカリキュラムが存在する為、アーカイブというカテゴリーの中で信頼性のある売買が可能となっています。
ファッションにまつわる付加価値の重要性

これまで述べてきた"アーカイブ"というワードや価値観ですが、ほんの数年前までは全て「ブランド古着」として一律に扱われてきました。
» 参考:【セカンドハンドのブームを通して見る日本と中国の消費動向】
生地や素材のコスト高から今ではその価格で製作できないようなクオリティのアイテムや、デザイナーの交代などの理由、所謂年月を経たからこそ見つけることが出来た新たな"付加価値"として再評価された結果がこのブームとして表れていると推測します。
セカンドハンドだけでなく、様々なブランディングがもたらす付加価値はブランド価値へと直結します。
「"USED" IN JAPAN」
は現代のファッション界における新たな付加価値として、重要な役割を担っているといっても過言ではありません。
石本 遥路
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