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【2018年ベストバイ】繊研新聞 小笠原拓郎が今年買って良かったモノ

2018.12.29 Sat. - 15:00 JST

【2018年ベストバイ】繊研新聞 小笠原拓郎が今年買って良かったモノ

2018.12.29 Sat. - 15:00 JST

 今年のお買い物を振り返る「2018年ベストバイ」。7人目は、本企画常連の繊研新聞社の記者小笠原拓郎さん。20年以上にわたり国内外のコレクションを取材し続けている小笠原さんが選ぶ2018年に買って良かったモノ10点。

PRADA 半袖シャツ&ニット

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FASHIONSNAP.COM(以下、F):小笠原さんはプラダの柄物がお好きなイメージがあります。今回は2点ともファイヤーパターンですね。

小笠原拓郎(以下、小笠原):このパターンの前回のシーズンも好きだったんですよ。1950年代のロカビリー的なモチーフを使ったコレクションでしたね。この半袖シャツは、これまでに出したアーカイブの柄をミックスさせて、再解釈してプリントしているもの。柄としてインパクトがあるし、すごく気に入っています。

F:バナナ柄とのコンビはインパクトがすごい。どこで購入したんですか?

小笠原:ショーを見たときから買おうと思っていて、6月のミラノコレクションのときにお店に見に行きました。でも、発売されて3日くらいしか経っていないのにサイズが48しか残っていなくて

F:少し大きめでしたか?

小笠原:はい残念ながら。一応試着して写真を奥さんに送ったら「もう少し小さいサイズのほうがいいよ」と言われて。なので再入荷したら買うことにしたんですけど、滞在期間中に入荷がなかったんですよ。それで、パリに移動した時にお店に行ったら、残っていたのは46。でも、そういえばパリってディスカウント効くのかなとか色々と考えてしまって、とりあえず1日考えることにしたんです。やっぱり気になって、翌日お店に行ったら完売。泣きました。

F:かなり人気だったんですね。

小笠原:これはダメだと気を落として帰国したんですが、その後に南青山のお店にも行ってみたら、全サイズ揃っていました(笑)。今シーズンのアイコン的な主張のあるユニフォームになればと思って、無事に1番小さいサイズの44を買えたんです。

F:めでたしですね(笑)。よく見たら、半袖なのに中綿が入っていて珍しい。

小笠原:プラダの季節感がよくわからないアイテムって、意外と重宝するんです。前もカシミアなのに半袖のニットポロを出していたんですけど、それも3色買いました。飛行機の中とか、秋口くらいの肌寒くなり始めた時期に、子供と公園で遊ぶ時にも使えるんですよ。

F:これも公園で着ているんですか?すごくおしゃれなお父さん。

小笠原:娘とディズニーランドに行った時にも着ていったんですけど「どこにいてもすぐに見つけられる」と言われました(笑)

F:迷子にならなくてよかったです(笑)。こちらのニットはどこで?

小笠原:半袖シャツが買えなかった代わりにミラノで買ったものです。メンズのファイヤーパターンのセーターはカシミアとシェットランドウールの2種類で、ウィメンズはモヘアだったんですよね。僕はモヘアが好きなので、44と少し大きめのウィメンズにしました。丈が長いので、女の子がオーバーサイズで着てスカートと合わせたりしても可愛いと思います。

LANVIN パーカ

F:透け感と少し光沢があって、綺麗なグリーンですね。

小笠原:PVCがトレンドだったので、透け感をどこかに取り入れるだけで今年っぽくなるんですよ。日本だと5月くらいから急に暑くなったりするじゃないですか。Tシャツ1枚でもこれを羽織るだけでサマになるので、結構着ましたね。軽い雨なら問題ないですし、春夏の出張でも重宝しました。

F:なぜランバンを選んだんですか?

小笠原:デザイナーのルカ・オッセンドライバー(Lucas Ossendrijver)がずっと好きで。でもランバンを去ってしまいましたよね。2019年春夏コレクションがラストシーズンなので、いくつかアイコン的なものも買おうと思っているんです。

F:退任のニュースは驚きました。

小笠原:ランバンだけではなく、メンズファッションシーンを引っ張ってきた人。90年代後半にラフ・シモンズ(Raf Siomons)が注目されて、その後に出てきたのがエディ・スリマン(Hedi Slimane)。この2人は確かにアイコン的なスタイルを作り上げた。ルカは、その後の時代にまた違う男性像を作った人だと思うんですよね。

F:どういったデザインが印象深いですか?

小笠原:例えば「フルイド」って、流れるような軽やかな表現の言葉ですが、メンズファッションの世界で風をはらんで揺れるような服って、あまり無かったんです。そんなフルイドラインをメンズで最初に提示したのがルカだと思っていて。象徴的な表現だなと、記憶に残っていますね。

TOGA MA-1

F:これはリバーシブルなんですね。

小笠原:そう。裏返すとスカーフ柄になるんです。

F:普段はどっちで着ているんですか?

小笠原:ほとんどカーキのほうですね。スカーフ柄だと少しヤンキー感が出ちゃうから(笑)。実はこれもう1パターン使い方があって。背中がギャザーになっているんですけど、紐を緩めて丸め込むとカバンみたいになって持ち運びが楽。デザインとしても可愛いし、気に入っています。

F:面白い仕様ですね。

小笠原:最近よく着ているんですけど、これにブラウンのアストラカンの帽子を被っていると「北の国からの五郎さん?」と会社で笑われていますが(笑)。

F:(笑)これもウィメンズなんですか?

小笠原:そうですね。展示会で気に入ったんですが、古田さん(トーガのデザイナー古田泰子)に「製品はこれより小さくなるから、サンプルを買ったほうがいいよ」と言われたので、サンプルサイズで買いました。これは珍しく、奥さんが「買わないの?」と言ってきたもので。欲しかったようで「私がお金払うよ」と言ってくれたんですけど、そういえばまだお金もらってないな......。

Scye セットアップ

F:この「買ったもの」企画では、サイといえば小笠原さんのイメージが強いです。

小笠原:同じシーズンで“2つ買い”という、よくやるやつをやってしまいまして。

F:しかも今回はセットアップを2セット!素材はどちらもリネンなんですね。

小笠原:1年半くらい前から、PVCのような素材と、一方でナチュラルな素材感も気になっていて。なんとなく夏にリネンのスーツを着たいな〜と思っていたんです。

F:一気に2セット買ったんですか?

小笠原:いや。まず小さめのスタンドカラーの黒の方を買いました。これは80年代後半〜90年代の「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」や「ワイズ(Y's)」と共通する雰囲気があって。パンツがテーパードしているので丈を短めにして「コンバース(CONVERSE)」のハイカットとか合わせたら可愛いかなと思っていたんですけど、奥さんの助言で丈詰めはほどほどに。ヴァンズのサックスブルーのスニーカーと合わせてよく着ました。パリのクチュールコレクションではキチッとした格好で行く場所も多いので、これはエレガントだし使い勝手がよかった。よく「それどこの?」と聞かれたんですけど、「秘密!」って教えなかったんですよね(笑)。

F:ではこの記事を読んでくれたらサイだったと答え合わせになりますね。もう一方のセットアップは?

小笠原:こっちは3ピースなんですけど、太めのシルエットでエレガントなんですよ。展示会で見たときから気になっていたんですけど、スタンドカラーのセットを買うと決めていたから、最初こっちはいいやと。

F:なぜ購入に至ったんですか?

小笠原:あとで登場するんですけど、1年かけてビスポークでシューズを作ったんです。靴の完成が近づくにつれて、その靴と合わせるために買えばよかったと思い始めたんですよね。それから、春くらいに「傷だらけの天使」というドラマが再放送されたんですが、萩原健一が太めで深い色合いのベージュのパンツを履いていて、すごく良い雰囲気で。毎週月曜日の再放送を見るたびに頭から離れなくなってしまって、宮ちゃん(サイのパタンナー宮原秀晃)に連絡して買いました。

F:我慢できなくなったんですね(笑)。

小笠原:不思議ですよね。2年くらい前まで、スーツが世の中からなくなるんじゃないかと思っていたんですよ。ビジネスマンでも着る人が減っているし、スーツは存在し続けられるのかな?と。それから2年でガラっと変わって、今はスーツばっかり着たいと思っている自分がいます。

F:なぜそこまで変わったのでしょう。

小笠原:やっぱりファッションは、無いものねだりな所があるんでしょう。「ヴェトモン(VETEMENTS)」が出てきてから、一気にストリートやスポーツが世の中に広まると、次はそうじゃないものを求めていく。もっとエレガントなものや、男っぽいものとか。異なる価値観に移っていくということはありますから。

F:この2着のセットアップが今の気分なんですね。

小笠原:そうなんだと思います。例えばリネンのスーツを着て、扇子を持ってカンカン帽をかぶって、浅草にドジョウを食べに行く、というのをやりたいねと何人かと話しているんです。暑いな〜とか言いながらドジョウを食べるのって、日本らしくてエレガンスだよねって。来年あたりに実現したいですね。ちなみに、日本の春夏に着るには暑いから、ベストは全然使えていません...。

il micio ビスポークシューズ

F:これがそのビスポークシューズですね。なぜ作ろうと思ったんですか?

小笠原:自分があとどれくらい革靴を履いて仕事をするのかを考えた時に、そろそろ作らないと履いて楽しむ時間がないと思ったんですよね。それで、同郷の後輩の深谷秀隆がフィレンチェにビスポークのお店を開いて10年ほど経つんですけど、彼にお願いして去年の6月から作りはじめました。

F:深谷さんの既成の靴は「トゥモローランド(TOMORROWLAND)」などで販売しているようです。

小笠原:はい。でも比べてみると、ビスポークは自分の足ギリギリのサイズで作っているから、シェイプの尖り具合が全く違うんですよ。

F:こだわったポイントは?

小笠原:夏にリネンのスーツを着たいという願望があったので、漠然と「ジョージ クレバリー(GEORGE CLEVERLEY)」みたいな少し細身のウィンドウチップがいいなと思っていて。黒のほうが良いんじゃない?とは言われたんですけど、黒は靴箱に山ほどある。だから70年代のヴィンテージのような雰囲気がある、ブラウンのドレスシューズをイメージして作りました。

F:確かに深みのある色ですね。

小笠原:でも、本当に高かった〜!高いだけあってちゃんとしているので、これに袋とシューツリー、そしてブラシが4種類と、革用の栄養クリーム、磨き用の靴墨がついているんです。長く履きますよ。

次のページは、立て続けに2つ買いしたビスポークや、メゾン マルジェア第二幕など

最終更新日:

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