
ANREALAGE 2019年春夏コレクション

非日常で実験的な「アンリアレイジ(ANREALAGE)」が東京に帰ってきた。ブランド創設から15年という節目を迎え、アマゾンファッションの特別イベント「AT TOKYO」で今回のファッションショーが実現した。パリで発表した2019年春夏コレクションに加え、4年ぶりとなる東京のショーに向け、スペシャルなコレクションピースを制作。9月下旬に発表したパリコレクションから準備期間が短かったものの、アーカイブ作品を含めた圧巻の100ルックを披露している。


以前の取材では「この15年の間にはブランドの浮き沈みがあった。こうした過ぎ去った歴史をしっかり表現する」と語っていた森永邦彦デザイナー。テーマである「A LIGHT UN LIGHT」には、光の中に潜む闇、闇の中に射す光という意味を込め、ブランドの原点と未来への願いを表現した。ノスタルジックな音楽と共に、パリで発表した最新作を披露。しかし、徐々に過去の印象的なコレクションが並び、当時の胸を打つ場面や取材時のエピソードが呼び覚まされた。人は音楽を聞くと、当時の風景や感情を呼び覚ますと言われている。この衝動は、服にも当てはまるのだろう。無数の金ボタンと鈴を配したウエアや低解像度の服、球体や三角錐から着想した新たな造形服など、筆者は当時のインタビュー風景を思い出してしまった。徹夜明けの森永デザイナーに取材することもしばしばで、細部にまでこだわり続ける姿勢にデザイナーとしての矜持を感じたものだった。
またもう一つ、東京でショーを行う理由があった。「2001年に『アンダーカバー(UNDERCOVER)』のショーを見て、東京のファッション・ウィークに憧れを持った。私も05年頃から東京でファッションショーを行っているが、自分が憧れていた(東京の)ショーが日常的にこなしていると感じ、パリへ進出した経緯がある。しかし『AT TOKYO』の話を頂き、次元の違うコンセプトでショーができると思った。学生など一般客を招待することで、東京のファッション・ウィークに憧れを持って見てもらえる良い機会にしたい」と意気込みを語っていた。

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