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【インタビュー】日本の「ジジィ」を変える 名物編集者岸田一郎が作る新雑誌

MADURO編集長 岸田一郎

Image by: FASHIONSNAP

2014.03.24 Mon. - 22:25 JST

MADURO編集長 岸田一郎

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【インタビュー】日本の「ジジィ」を変える 名物編集者岸田一郎が作る新雑誌

MADURO編集長 岸田一郎

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2014.03.24 Mon. - 22:25 JST

 創刊編集長と呼ばれた「LEON(レオン)」の生みの親、岸田一郎氏が9月に新しい雑誌「MADURO(マデュロ)」を立ち上げる。2005年に「ちょいモテオヤジ」という言葉で流行語大賞を受賞した名物編集長が今回ターゲットにするのは50代〜60代の「ジジィ」。新雑誌では現在62歳の岸田氏自ら同世代に向けてファッションやライフスタイルだけではなく、「死に方」までを指南していくという。3月22日に創刊準備号を発刊した岸田氏に「MADURO」についてを聞いた。

50〜60代?新たに立ち上げる雑誌「MADURO」

―「MADURO」の由来は?

 当初は「やんちゃジジィ」という言葉を短縮した「ヤンジー」を英語表記したもの「yanG(ヤンジー)」が候補でした。スペルは違いますが「ヤング」とも読めるので気に入ってたんですが、ラグジュアリーブランドがクライアントに名を連ねているため、少々軽すぎるということで再考することに。ターゲットが50〜60代と熟成を重ねた世代なためスペイン語で成熟の意味の「MADURO」にしました。海外の知人からはベストなネーミングだと好評です。

―雑誌が売れない時代と言われるが、なぜ再び「紙」で挑戦するのか?

 雑誌が、部数が下がっているというのは事実。ただ、読者は雑誌ばかり読んでいるわけではないし、ウェブの時代だからといってウェブばかりを見ているわけではないですよね。人間は勝手なもので、面白くないものは見捨ててワクワクすることに対して時間を使いたがるものです。紙からWebに時代が移行したというのは一理ありますが、面白いコンテンツがあるからWebに読者が移行したように私には映る。だから読者の興味をひく面白いコンテンツがあれば、ウェブでも紙でも読者を引っ張っていけると考えています。「MADURO」の場合は50〜60代がターゲット。世代的にウェブではなくて紙を好む人が多いので、単純に紙を選んだだけです。

MADURO_hyousi_1.jpg

MADURO創刊準備号の表紙

―ターゲットは50〜60代とのことですが。

 30〜40代をターゲットにした「LEON」創刊から13年。創刊時に愛読者になってくれた40代のちょいモテおやじがいたとしたら今、その人は53歳。50歳のちょいワルおやじは63歳です。実際、今の50〜60代はお金を持っていて、ファッションや時計、車が好きで、多少よこしまな気持ちもあるという人もいるでしょうが、そういう雑誌は今はないんですよ。

―創刊のオファーはセブン&アイ出版から?

 「シニアの顧客が増えているけど、その層に合ったメディアがないので、新しいメディアを創りませんか」というオファーで始まりました。セブン&アイホールディングスと言えばコンビニを思い浮かべる人が多いですが、そごう西武をはじめ最近では「BARNEYS NEW YORK(バーニーズニューヨーク)」や「Francfranc(フランフラン)」などを傘下に収める巨大流通コングロマリットです。「私とセブンイレブンが!?」と驚く人もいますが、富裕層もセブンイレブンを使いますしね。

―コンセプトは「いつまでも、ジジィはヤンチャでオシャレがいい」

 僕も、62歳だから「ジジィ」と呼ばれる世代です。当時はイメージが良くなかった「オヤジ」という言葉に対してLEON創刊以降世間の見方や捉え方が変わったのと同様、ジジィをカッコいいものとして変えたいですね。

―「金は残すな、自分で使え」というキャッチコピーの意図は?

 欧米では自分で築いた財産の一部を子どもたちのために使い、残りは自分たちのために使おうというのがメジャーな志向。資産を残し過ぎるのも子どもたちのためにはならないということが理由だそうです。日本の場合は倹約美徳だからお金を残したまま死を迎え、その遺産全てが子どもたちのもとに渡ることが多いです。なので、「MADURO」では残された生涯の中で一番「ワクワク」する面白いことに使いましょう、と自分たちのためにお金を使うことを提案しました。

maduro_2014ss_02.jpg

「MADURO」の登場人物

―「MADURO」には"岸田語録"は登場するのでしょうか?

 主人公のカッコいいやんちゃジジィは「ヤンジー」。その奥さんは「魔ダム」、連れている女性は「姫ーナ」。何にもしていない人、いわゆる単なるジジィは「枯レジー」。そして「チャラジー」というのは、30〜40代ファッションやイタリアかぶれのような若作りファッションをしているジジィのことです。例えば、「あんまりやんちゃしていると『魔ダム』が怒るし......」という表現で出てきます。

―Webとの連携は?

 出版社が発行している雑誌ではないので、将来的には可能性はあります。今運営している動画をメインとした「LUXURY TV」での展開も視野に入れています。また、「MADURO」の読者はアクティブな50〜60代だと思うので、リアルにみんなが集まれる場も提供したいですね。

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