Petter Klusell(ペテル・クルーセル)氏
Image by: FASHIONSNAP
「H&M(エイチ&エム)」の歴史にインスピレーションを得たメンズのカプセルコレクションMauritz Archive(マウリッツ・アーカイブ)が、9月19日に発売される。メンズのカプセルコレクションは、イーストロンドンに拠点を置くBrick Lane Bikes(ブリック・ レーン・バイク)社とのコラボレーションにより2013年春に発売され好評を得た「H&M for BrickLane Bikes」以来。2013年よりメンズ・カジュアル、スポーツ部門のヘッドデザイナーに就任し、2つのコレクションを生み出したPetter Klusell(ペテル・クルーセル)氏にMauritz Archiveについて詳しく聞いた。
Mauritz Archiveは、アウトドアをテーマに作られたメンズカプセルコレクションで、H&Mの歴史が密接に関わっているという。このコレクションでは、全21スタイルのウェアとアクセサリーを展開。老舗ファブリックメーカーの生地で制作されたアイテムもあり、オーセンティックなコレクションに仕上がっている。価格帯は1,190円〜18,990円、H&M SHIBUYA、SHINJUKU、SHINSAIBASHI、UMEDAの4店舗限定発売。
―まずはじめに、Mauritz Archiveの着想源になったというH&Mの歴史について教えてください。
「H&M」の前身は、Erling Persson(アーリン・パーション)によって創立された「Hennes(ヘネス)」という名前のウィメンズブランドでした。彼は1960年代後半に「Hennes」の隣に出店していた、スポーツ・アウトドア・釣り・ハンティング用品を取り扱う「Mauritz Widforss」を買収。Mauritz Widfrossは約150年前、19世紀のスウェーデンの男性の名前を冠したブランドで、本格的なアウトドア衣類を作っていました。この買収を機に「Hennes」でもメンズウェアの展開をスタートさせたそうです。その後、「Hennes」と「Mauritz Widforss」を1つのブランドとして統合させ、それぞれの頭文字をとって「H&M」は誕生しました。
―なぜ今回、そのアーカイブをメンズの限定コレクションに?
僕自身「H&M」の歴史の大枠は知ってはいましたが、詳しい訳ではありませんでした。ちょうど2年前くらいの夏、アンティークショップで眺めていた1914年発行の本に「Mauritz Widfross」の広告が載っていて興味を惹かれたのが始まりです。それが「H&M」の「M」の発祥だと知った時、「これは面白い! 何かできないか」と思いました。それから1920年代と1890年代に使われていた「Mauritz」のプライスカタログを発見したりリサーチを重ね、「H&M」がメンズを始めるようになったきっかけと「Mauritz」という名前に捧げるプロジェクトが具体的にスタート。アウトドアにインスパイアを得ていながらも、都会的でモダンなメンズコレクションを作るため1950〜60年代のヴィンテージウェアを参考にしたり、さらに1年間以上リサーチして、ようやくコレクションを発表できるようになりました。メンズにおいては今、アウトドアがトレンドの一つですので、発売のタイミングとしてはぴったりですね。
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