ミンネ主催「ハンドメイド大賞」受賞作品
Image by: FASHIONSNAP
ハンドメイドで服やアクセサリーをこしらえるクリエイターたちがおしゃれアイテムの国内ハンドメイド市場を盛り上げている。大規模なリアル即売会が盛況で、ネット上の専門マーケットもファンを広げつつある。こだわりやひたむきさが感動を呼ぶ一点物ショッピングは自己満足度が高い点で、他人と一緒に面白がるSNS流「ネタ消費」の対極に位置している。(文:ファッションジャーナリスト 宮田理江)
クリエイターの祭典「HandMade In Japan Fes'2015」が7月25、26日にわたり、東京ビッグサイトで開催される。アート、雑貨、ファッション、アクセサリーなど幅広いカテゴリーの手仕事作品が所狭しと並ぶイベント。全国の公募クリエイターが出すブースは2日合計で4000にも達する。14年7月に開催された前回は2891の出展者だったので、単純計算では4割近い増加だ。すでに申し込みは締め切られ、キャンセル待ちの状態となっている。
目ざといおしゃれ好きの中には、他人とカブる心配のない一点物や、大胆なデザインの入魂作をお目当てに訪れる人もいるようだ。14年の来場者は3万2000人を超えたという。15年は5万人の来場を主催者側は見込んでいる。入場料は前売りが1000円で当日は1200円だ。運営している「クリーマ」はもともとハンドメイドマーケットプレイス「Creema」を開いていて、この分野に強いネットワークを持つ。

個人間の商取引「CtoC」の枠組みで、ハンドメイドは徐々に大きなマーケットとなりつつある。CtoCのハンドメイドマーケット市場で国内最大級の規模を誇るのが「ミンネ(minne)」。ここを運営しているGMOペパボは、同じくハンドメイドマーケットの「tetote(テトテ)」を運営するOCアイランドと資本提携し、グループ企業に迎えた。「tetote」は国内3位程度の規模とされ、1位と3位の連携はハンドメイドマーケットの取引をさらに勢いづかせると見られる。

既存のファッション電子商取引(EC)大手も一点物やハンドメイドの流通に力を入れ始めた。「ZOZOTOWN」で知られるスタートトゥデイは「注目の若手デザイナー・クリエイターがあつまるMARKET」と銘打った「ZOZO MARKET」を運営している。マーケティング志向にとらわれない作品はかえって長く楽しめそう。ウィットの利いたデザインも目立つ。ここではオンライン注文や決済などの仕組みを用意し、個人のクリエイターに作品発表と販売のチャンスを提供している。
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