卒業制作「あたたかな任務」
IMAGE by: ふたまたつづみ
武蔵野美術大学の学生が、イタリア版ヴォーグ(VOUGE)に取り上げられるなど、SNSを中心に世界で注目を集めている。
ふたまたつづみの卒業制作「あたたかな任務」の動画
その学生の名は、ふたまたつづみ。デザイナー津村耕佑が教鞭をとる武蔵野美術大学空間演出デザイン学科に籍を置き、4月から国内コレクションブランドに入社するクリエイターだ。高校3年生の頃、振付師でアーティストのカミヤサキ氏との出会いが自身の価値観やスタイルにポジティブな影響を与え、変化することの面白さや生まれる発見をもたらしたいと考えるようになったといい、これまで「着ることで裸になる服」をテーマに、ストッキングと綿で構成した洋服や装飾品を制作。絵画やニットアイテムなどはオンラインで販売も行っている。
今年1月に開催された卒業・修了制作展では、「あたたかな任務」というタイトルのもと、モデルにカミヤ氏を起用した作品を発表。洋服と映像を用いた展示は、来場者の心を掴み、見事優秀賞に選ばれた。そんな弱冠22歳の若きクリエイターを知るための、22の質問。
1.出身地は?
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東京都文京区です。
2.武蔵美の空間演出デザイン学科でファッションを学ぼうと思った理由は?
哲学的な視点があること。技術的なこと以外も学べると思ったからです。
3.服作りを始めたきっかけは?
服が好きだけで完結せず、服をもって人を変えたいと思ったからです。
4.どんな幼少期を過ごしましたか?
両親が音楽療法士の仕事をしていて、家族の中の些細な出来事を歌にして家族で歌っていました。父が視覚芸術も好きだったので、絵の展示や演劇に連れて行ってもらったりと芸術に触れる機会は多かったように思います。
5.ファッションに興味を持ったのはいつですか?
小学校高学年の頃です。きゃりーぱみゅぱみゅを知って、好きなファッションジャンルや着たい服ができました。
6.服をデザインする上でのインスピレーション源は?
演劇やダンス、パフォーミングアートなどの身体表現を見ること。クラブイベントやドラァグクイーンのショーなどにも足を運びます。
「fashion show "KIDS"」画像右上は武蔵野美術大学教授でデザイナーの津村耕佑
Image by ふたまたつづみ
7.好きなアーティストは?
身体表現だと、カミヤサキさん、清水舞手さん、レイチェル・ダムールさん。音楽だと、ポップしなないで、ヒステリックパニック、椎名林檎さん。絵画だと、アンリ・マティス、有元利夫さん、横尾忠則さん、エル・グレコなど。
8.尊敬している人は?
川久保玲さん、カミヤサキさん、津村耕佑さん。
9.好きなブランドは?
コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)。
10.武蔵美の好きなところは?
精神論をバカにしていないところ。教養を大事にしているところ。もちろん技術も大事だけど、それだけじゃないものを常に求められているように感じます。
11.日課は?
起床後と就寝前に白湯を飲むことです。
12.高校時代の部活動は?
美術部で油絵を描いていました。
13.卒業後の進路は?
国内コレクションブランドでパタンナーとして働きます。
14.パタンナーを選んだ理由は?
作品を作る上で、自分が本当にこれをしたいのか、今自分にこれしかできないからこれをやっているのか、わからなくなる時がありました。そう思った時に、技術としてパターンを極めたいという気持ちと、パターンを極めることで面白いことができるような気がする、という根拠のない自信が湧いたからです。
15.卒業制作のテーマは?
「変化することととらわれること」。変化していくことの価値を伝えたいという思いから制作しました。
卒業制作「あたたかな任務」
Image by ふたまたつづみ
16.これまでの制作と卒業制作の相違点は?
今までは服と他者との関係性だけに着目して制作していたんですが、今回は自分の作品と自分の関係も作品に盛り込みました。あと、女性モデルの起用とダンスの融合にも新たに挑戦しました。
17.卒業制作の反響は?
友達や来てくれたお客さんが何回もまた別の人を連れてきてくれることが本当に嬉しかったです。「これ着てみたい」と言ってくれる人が沢山いて、日常服として作っていない身としては新鮮でした。そういう視点もあるんだっていうのが面白かったです。
Vancouver fashion week 2023
Image by ふたまたつづみ
18.大学生活の思い出は?
オープンキャンパスでのファッションショーでリーダーを務めるとともに自身のルックも発表したことです。
19.今一番興味があることは?
物の文脈としての価値。例えばホールケーキには食物としてだけでなく、お祝い事や人から人へのプレゼントなど、さまざまな文脈的な価値が存在するような。モノだけの情報を超えた人間の記憶と関係した文脈から生まれる価値に興味があります。
「knit blaze」
Image by ふたまたつづみ
20.将来の夢は?
今自分が世の中に必要だと思うことをやりたい。何年後でもその時々で必要だと思ったことをできる環境にいたいです。
21.曲げたくない信念は?
正気の沙汰じゃないことを正気でやる。どんなに忙しくても、どんなに理不尽なことがあっても、自分が決めたことは貫き通していきたい。でも病気になっちゃ意味ないし、死んだら元も子もない。病的にならずに正気を保ったまま、 健康的に、正気の沙汰じゃないことをできる人になりたいです。
22.直近の目標は?
責任を持つこと。進路に就職を選んだことに責任を持ちたいと思っています。責任を持って、後悔しない、ちゃんと仕事をしたいです。
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